夜8時頃、急に停電しました。
私が暮らしているアパルトマンはちょっと古くて、何か合わない家電があるのか突然電気の光がサワサワサワーっと揺れて、パタッと停電します。
うちにはお手伝いさんと私と娘(8)と猫たち。
仕事中だったので、一瞬イラッとしたのですが、娘がささっとキャンドルを用意し、「ママ、電気が来たらハッピーバースディ歌いながら消すの!」と言って和ませてくれました。
夫のおばあさんが使って居たという燭台に長いキャンドルをセットして火を点すと、サロン(リビングルーム)は、いつもと違う優しい光に包まれました。
猫達と娘は、ソファに集まっています。
お手伝いさんに、管理人さんを呼びに行ってもらい、私と娘は手持ち無沙汰なので、暗譜で弾ける曲を途中で間違えたら交代というルールでピアノを弾き始めました。
うちのピアノは、第二次世界大戦前のドイツで作られた、古いピアノアップライト。燭台置きまでは付いていませんが、夜は、こんな薄暗い室内で弾かれていたのかなあ、などと想像しながら、弾いていると、普段の練習中よりも集中できてきれいに弾ける気がします。最後まで弾けてしまったので、娘に交代。娘のモーツアルトも、楽譜を見ながら弾いている時よりも美しく聞こえます。きっと、薄暗いキャンドルライトの雰囲気も手伝ってより美しく聞こえるのだと思いますが、たまにはこういうのも良いなあと思いました。30分ほどで、停電が解消。日常が戻ってきました。
日本ではいかに時間を管理するか、と言う事がテーマになったりしますが、色々と不便な街、マラケシュで暮らしているとこんな隙間時間があちらこちらにうまれます。
否応無しに一時停止させられるために、その後が更に忙しくなる、と言う事もありますが・・・
素敵な文章!
あの、日本ではどうやっても再現できないモロッコのサロンや、キャンドルの光が目に浮かびました。
娘さんのユーモアも素敵ですね!
ありがとうございます!
子供の一言って、面白いですよね。
書き留めておかないとすぐに忘れてしまうのですが・・・。