◆ラマダン/今日のお客様

今日はフトールに沢山のお客様が見えました。

メンバーは、フランス人で看護士のマリー、カナダ人で看護士のジョスリン、彼らはモロッコの病気の子供たちを助ける非営利団体の主催者で、目の手術のためにフランスに行くと言う少年Jを連れています。
それから夫の友達でラグ屋のオーナーのハシム、引退したモロッコ人のドクター、ハシムのスタッフ二人に内のスタッフのオマール。
アザーンが聞こえてフトール開始。
ラマダン中は味見もせずに料理をするので食べ始めるまでドキドキですが、ありがたいことに皆ハリラを残さず食べてくれました。
その後も気持ちいいくらいテーブルの上のものが無くなっていきます。
会話はほとんどフランス語で私はお皿を下げたりグラスを出したりお変わりを出したり色々忙しくてあまり話しに加わる暇がありませんでした。

一時間後、夫とモロッコ人の知り合い&友人たちは近所のモスクに行くために退席。

カフェオレを入れなおして、マリー、ジョスリンと話を始めます。
彼らの活動のことはずっと詳しく話を聞きたい思っていたのですが、なかなかチャンスがありませんでした。今日はゆっくり話が出来そうです。
話をしたばかりであまりまとまりが無いのですが、忘れないうちにメモ的にご紹介します。

彼らの非営利団体の名前は「LE SOURIRE D’HOUDA」 The Smile of Houdaと言う意味。
この団体を作ったのはフランス人の看護師のマリー(54歳)。
彼女がモロッコに初めてきたのは1996年。
ツアーグループ同行の看護婦として仕事で来ました。
その際に、特に南の貧しい子供たち、病気なのに十分な治療を受けられない子供たちの姿にショックを受け、何か出来ないか考え始めたそうです。
私が彼女たちと出会ったのは1999年。砂漠付近に滞在していた時でした。
そのときは同じホテルに滞在して色々話をしたものの、単に元気なフランス人のおばさんだなあ・・・とこちらは思っていたのですが、彼女は私のことを「文化人類学を勉強していて、モロッコ人女性の生活に付いてフィールドワークをしている日本人の学生」としてよく覚えてくれていたそうです。
再会したのは昨年。
ティネリール出身のモロッコ人スタッフが「薫さん、そう言えばマリーと言うフランス人を知っている?彼女が今マラケシュに来ているんだけれど、時間があれば会いたいと言っていた。」
と言ってきました。
マリーマリー・・・マリーなんとかと言う名前はものすごくありふれた名前なのでどのマリーなのか分かりません。
でも私のことを知っていると言うので会ってみると、あの元気なおばさん。

あって直ぐに思い出し、連絡を取り合っていました。

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今日は時間があったので、こちらに掲載するために色々なことをインタビューしてみました。

「いつどんなきっかけではじめたの?どんな活動をしているの?」

砂漠の近くの村に行ったときに、フランスであれば簡単に直るような病気が放られているのを見て、特に将来がある子供たちのために何かしたいと思った。
最初から非営利団体を作ろうとかそういう計画が有ったわけではなくて、ただ、そのときに出会った「HOUDA」と言う女の子を助けようと思ったら、彼女のビザを取るためには非営利団体になり申請する必要があると言うことが分かったので団体を作った。
それ以来フランス国内の150人くらいの人々の寄付やモロッコのものをバザーなどで販売した収益で主に南部モロッコでの(医者と協力体制を取っての)無料診療、モロッコ大都市の病院での治療などを行っている。
モロッコ国内では治療が難しい子供に関してはフランスに送りたいけれど、非常に高額なので、まだ最初のHOUDAと二番目のJAWADの二人しか実現していない。

また、病気や先天性疾患の治療だけではなくて、南部モロッコの子供たちの教育に関することにも力をかけていきたい。

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「教育と言うと具体的に言うとどんなこと?」

たとえば、メルズーガ村には200人の子供たちが通う小学校があるが、中にはトイレも手洗いも無い。
非常に不便だし、手を洗う設備も無くては、病気の予防に必要な衛生に関する教育も一切出来ない。
トイレを作る資金を出した。
トイレだけではなく、勉強に必要な様々なものが不足している。
ノートやペンなどの文房具や教科書など・・・
病気の予防に関することだけでも教育があれば改善することは山のようにある。
今は医療面の活動が中心だけれど、やはり教育の問題は非常に大きいので、今後何かが出来れば良いと考えている。

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「無料診療はどこでどんな風に?」

私たちはフランスから薬を持っていく。
メルズーガの村に私たちが来ると村の人々が様々な体の不調を訴えてやってくる。
彼らと会って、必要な人には市販薬を渡し、必要な人にはドクターに診てもらい、本当に治療が必要な子供を選び、モロッコの都市の病院に連れて行き治療してもらう。
私たちの無料診療には、本当に助けが必要なわけでもないのに来る大人も居るし、カナダやフランスと同じ水準のことは出来ないけれど、それでも今まで一回も医療機関の門をくぐったことが無い人たちにとっては助けになっていると思う。

村や町の人から助けが必要な子供たちについて話を聞き、こちらからたずねていくこともある。
たとえばこの間はA町のBさんが「助けが必要な家族がいる」と言ってきたので会いに行ったところ、
カスバの地下に非常に貧しい家族が五人暮らしていた。
夫婦と子供三人。
子供の内の二人が先天性の知的障害児。
ほとんど外に出ることなく育てられていたので、南部の子供なのに肌が真っ白で、健康状態も不良だった。
こういう人々に会い、周囲の人々の助けを得るように話をし、栄養剤などを渡し、子供には太陽の光が必要であることを話してきた。

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「田舎に行くと知的障害児の数が多い印象があるが、これはやはり自宅で出産することと関係があると思うか?」

そう思う。
自宅出産がすべて間違えであるとは言えないが、例えばこの家族の場合、母親がこの子供を出産したときは一人ぼっちだったと言う。
非常に貧しい人の場合、このように周囲の助けをまったく受けられないようなこともあるし、出産に時間が掛かりすぎた場合の低酸素が原因の知的障害児は多いと思う。
これは病院で出産していればほとんどの場合防げることだ。

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「今日一緒に来ているジャワッドは?」
(16歳と言うけれど、非常に小柄で12歳くらいに見える)

彼はティネリールから来た子で、目に障害があり、****と言う病気。(難しい単語で聞き取れず)今でもかなり見えなくなってきている。このままだと失明するけれど、手術をすれば視力が戻る可能性もある。
モロッコでは難しい手術なので、フランスの病院で手術を受ける予定。
今週末にモロッコを立って手術のために八日間滞在し、その後予後が良ければ彼を送ってモロッコに来る予定。

「彼の治療及び彼に関するすべてのことにいくらくらいお金が掛かるの?」

(日本円で)約150万円から200万円程度。
フランスの病院が彼の治療費をどの程度負担してくれるかまだ分からない。
まったく病院の負担が無かったとしたら200万円。病院がある程度負担してくれたら150万円程度になる。

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「そういったすべての活動に必要な資金はどこから出ているの?」

フランス人の有志。
私たちの活動に賛同してくれる人々が150人くらい居て、こういう子供が居てこういう助けを必要としていると言う連絡を入れて寄付を募り、報告書を送付している。
また、子供をフランスに連れて行った時には会ってもらっている。

「モロッコ人からの寄付は無いの?」

残念ながらモロッコでは非営利団体に寄付をするという習慣があまり根付いていない様で、まだモロッコ人、モロッコの会社名義での寄付を受け取ったことが無い。

「モロッコの子供たちを助けるのにモロッコ人がお金を出さないなんておかしいと思わない?」

彼らはまとまったお金を出すと言うことはしないけれど、例えば無料で奉仕してくれるモロッコ人のドクターは沢山居るし、様々な面で動いて助けになってくれるモロッコ人の友人たちは沢山居る。
それに、モロッコには困っている人に気軽に小銭を上げると言う素晴らしい習慣があると思う。
モロッコの場合、ある程度のお金を持っている人が居ても、彼らは沢山の助けを必要としている家族がバックに控えていることがあるので、どうしても家族優先になると言うこともある。

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「どうしてそこまで自分の時間とパワーをつぎ込めるの?」

私はすでに二人の子供を育て上げて、フランスで十分な生活をしている。
外国人としてモロッコに来て、目の前に非常に困っている人が居るのに観光地だけを見て帰ると言うことは出来ない。
自分が出来ることをしているだけだし、自分たちの活動のお陰で病気が治ったり改善している子供たちを見るだけで大きなやりがいを感じる。
別に特別なことをしているとは思っていない。たまたまモロッコと言う国と出会ってこのようなことが出来るチャンスがありよかったと思っている。
シンプルに、自分の娘たちが同じような状況に置かれて何の助けも得られなかったら。・・と考えると何かしなくては、と思う。

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「モロッコ人はあなたには感謝を示さないと思うけれどそれに関しては?」
確かにモロッコの人々は、私たちが無料診療で飲まず食わずで働いても、薬を提供しても、一日中働いても、私たちに対してではなくて私たちをここに派遣?してくれた神に感謝する。
違和感を感じることもたまにはあるけれど、病気の子供たちを減らすということが私たちの目的だから、親や周りの大人たちが直接私たちに感謝の意を表してくれるかどうかは問題ではない。

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(かなりひどい状態の人々や子供たちの話を聞いて)
「例えば、足が無い人や傷口を見せて小銭をねだってくる人が居ると、上げたいと思う反面、恐ろしさやぞっとする気持ちで避けてしまうことも多い。あなたたちはどうして平気なの?」

何も感じないわけではなくて、もちろん心が動かされるけれど、私たちは看護士と言う職業上、普段からそういう人々を見慣れていて訓練されているから、直視できるのだと思う。
ぞっとしたりしてしまうのは人として正直な気持ちかも知れないけれど、それでは誰も彼らを助ける人が居ない。
でも、私たちの普段の職場は病院だけれど、病院で活動の話をしても、あまり聞きたがらない人も多い。
きっと毎日毎日病気の人々を見て、それ以上そういう話を聞きたくないという気持ちもあるのかもしれない。

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「あなたは信仰を持っているの?」

神とか名前は何でも良いけれど、人間よりも大きな存在が居るということは信じている。一応私はカソリックです。
でも、特にお祈りをしたりと言うようなプラティカルなことはしていない。
私にとって信仰と言うのはこうして子供たちに会い、出来ることをすることだと思っている。

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「HPはあるの?」

時間が無くてまだ出来ていない。

「HPがあれば世界中の人々に活動している内容を知ってもらい、もっと多くの子供たちを助けられるのでは?」
今一ピンと来ない様だったので、ディアモロッコのお客様数が何人くらいでHPのみの売上がいくらくらいあり、どのくらいの期間で伸びて・・・と言う話をする。
「今の話は私がやっているビジネスの話だけれど、商売じゃなくて人を助けるためのことであっても、多くの人に知ってもらって参加してもらうというシステムは同じ。また、他のやり方をすると運営にお金が掛かって問題だけれど、ネットを使って知ってもらったりニュースレター(メルマガ)を発行することは非常に少ない金額で出来るのだから今すぐスタートするべきだ」

と言う話をする。

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「規模を大きくするつもりは?」

今は私を中心に、無収入で奉仕したいと言う人々(様々な国の)、フランス人の寄付、モロッコ人のドクターや現地の人々との協力関係で成り立っている。
規模を大きくしたり、他の非営利団体と合併しないか?と言う話も時々あるが、今は考えていない。
非営利と言っても規模が大きくなると事務スタッフを有給で雇ったり、お金の使い道があやふやになったり、運営自体にお金が掛かったりすることになる。

今のシンプルな形が一番分かりやすいし、動きやすい。

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マリーはとても面白くて明るくて気さくでパワフルなおばさんです。
最初に出会ったときは砂漠で楽しく過ごしただけだったので、まさかあのときにこんなことを考えていて、それを非常に現実的な形で実現していることに驚き心を動かされました。

国際的な援助と言うと大掛かりな組織になり、沢山のメンバーが居て、事務所を構えて・・・
と言うイメージがありますが、彼女達が行っているのは本当に草の根的な小さな活動です。
資金面でもそれほど恵まれているわけでは無いので、治療できる子供の数にも限りがあるようです。

今度、フランスに帰ったら活動内容の写真やニュースレターを送ってもらう約束をしました。
資料が準備出来次第ですが、ディアモロッコでも定期的に彼女の活動内容を紹介、予定が合えば次回彼女が南部に行く際には同行してどんな活動をしているのか見て来たいと思います。また、こちらでご報告します。

最後に小さな額でありますが、モロッコ企業第一号として寄付をさせてもらいました。

ディアモロッコ 宮本 薫 https://dearmorocco.com/

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