モロッコのラグに関するうんちく

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「モロッコでラグを買いました。『70年前のものでとても価値がある』と説明され、高額でしたが、本物のアンティークでしょうか?」

などと聞かれる事があるのですが、なんと答えて良いやら、複雑な気持ちになります。

「70年前の本物のアンティークのラグ」である事を、証明する事は大変な事です。

ラグの織り手は田舎のベルベル人女性ですが、一昔前まで彼らは文字で何かを書き残す習慣がありませんでした。

人の誕生日、結婚した日、亡くなった日等も記録する習慣が無かったくらいですから、その古いラグが、代々同じ家で受け継がれて来たとしても、大まかな年代しか分かりません。

また、ラグが織り手の家からバイヤーの元に直接来る事は稀で、ほとんどの場合、織り手の子孫が仲介業者に売る→業者がマラケシュ等の都市の大きな店や問屋に卸す→問屋から小売店や海外へと言う風に何人もの人の手を経る間に、そのラグについての情報は失われてしまいます。

もちろん、詳しい人が見れば、この柄は何々地方のもの、この染料はいつ頃使われていたもの等の判定はできますが、「70年前」と言う具体的な数字を上げる事は難しいでしょう。

ですから、モロッコでラグを購入される場合は「どれだけ古いか」と言う言葉に惑わされずに、ご自分が好きかどうか、インテリアに似合うかどうかを一番に考えて選んで下さい。
ただ、「最初から販売目的で織られたお土産ラグ」と「家で使うために織られたラグ」は全く異なります。
せっかく、モロッコのラグをインテリアの取り入れるのであれば、是非「家で使うために織られたラグ」をお選び下さい。

 


 

<古いラグと古く見せかけているラグの見分け方>

モロッコのお土産物屋さん、ラグ屋さんには、ユーズドのラグと、ユーズド風に加工されたラグが売られています。

本当に古いものと、新品を古めかしく加工しているものの見分け方ですが、まず、こちらに「古いラグ」の写真を集めてみましたのでご覧下さい。

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とても個性的な、一点ものらしい一点ものが多い事が分かると思います。配色も、柄の配置も、織り手により千差万別です。新しいものは、ハンドメイドとは言え、売るために何枚も織るのですから、最初からデザインがあって、注文されて織る事もありますし、織り手が考えたとしても、同じ様なものを織るのが普通です。

 古いラグは、裏もちゃんと古びていますが、新しいラグを加工したものは、裏側は新品らしい色だったりします。

 裏返してみて、織り目がどの程度こなれているか確認すると、分かりやすいかも知れません。新しいものには多少の隙間がありますが、古いものの場合縦糸と横糸が馴染んで、一体化しています。

 裏返すと、修復跡等が見つかる場合がありますが、修復してあるラグは古いラグです。

 こうして、箇条書きにして見ると当たり前の事ばかりなのですが、お店では色とりどりのラグを山ほど広げられ、頭が一杯になってしまって、良く分からない事があるかも知れませんが、冷静に確認してみて下さいね。

ちなみに、「新しいラグを古いラグに見せかける」一番ナチュラルなテクニックは、天日干し。真夏のテラス等にひたすら毎日干し続けるとかなり色あせます。時間が無い場合は、漂白剤その他の薬品を使う様です。漂白剤くらいならまだ良いのですが、良く分からないものを使っているラグは不安ですね…。  

手織りのユーズドラグを買うと言う事は、例えば30年前に織られたものだとしたら、30年前に誰かに丁寧に織られ、どこかの家庭で大切にされ、今まで生き残って来たラグを買い、一万キロも離れた日本に持って帰るという事ですから、工場で大量生産されたラグを買う事とは意味が違います。

長く大切に使える様に、じっくり時間をかけ、お気に入りの一枚に出会うまで20枚でも50枚でも広げてもらいましょう。

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