モロッコの子供の教育

モロッコの子供の教育

(私の知る限りの情報ですので偏り、間違いがあるかもしれません。)


◆学齢

日本の様に幼稚園と保育園の区別はありません。
預かってもらえる時間も学校によりバラバラです。
日本の幼稚園的なところだと、
1歳から5歳まで(小学校入学まで)のところ
3歳から5歳までのところ
3歳か4歳スタートでエスカレーター式で付属校に進むところがあります。

6歳から12歳までが小学校
12歳から15歳までが中学校
15歳~18歳までが高校です。


◆時間&送り迎え

午前8時から12時前/2時頃から5時頃の場合、昼休みに一度帰宅し、ランチを頂き、もう一度登校というところが多いです。小学校の場合スクールバスがあるところが多いですが、幼稚園の年代では親が送り迎えをすることが多く、ランチタイムを合わせると一日四往復で一仕事です。

午前8時頃から、3時半ごろまでというカリキュラムの学校では、お弁当または給食で、親の送り迎えは一日二回で済みます。
日本の様に子供達だけで通学することはないので、親の送り迎えが必須です。
学校に合わせて引っ越しをしたりする人も多く、不動産の広告には「フランス人学校至近!」などの文言を良く見かけます。
小学校以降ではスクールバスがあるところが多いですが、無い場合は大抵車で送り迎えするため、昼時や3時半頃、5時頃の学校周辺はものすごい人、車で溢れています。


◆幼児・初等教育

モロッコの学校教育というと、「日本と違ってのんびりしているのでしょうね」と言われることが多いのですが、イメージとは真逆です。
フランスの影響を受けているモロッコはかなりの学歴社会らしく、都市部の場合3歳からフランス語教育が始まります。(娘が通っていた幼稚園では授業はほとんどフランス語でした。)

マラケシュの幼稚園は日本の様に遊び中心と言う事はなく、小学校で勉強する内容の準備としての教育がメインです。3歳児クラスのカリキュラムを読むと、「集団行動」「規則の順守」「数の概念」「アルファベット」「体操」「お絵かき・創作活動」などを一年を通じて身に着けることが目標とされて居ました。フランス語の歌を丸暗記させることで、フランス語に馴染ませる、綺麗な発音を身に着けさせると言う事や、曜日の暗記、色の名前、数のカウント、アルファベットで自分の名前を書くなど。また、自由なお絵かきのほかに、数の概念、簡単な足し算や引き算の入門になるような塗り絵などもしている様でした。ちなみに娘が通っていた幼稚園では、アラビア語の授業や宗教教育などはありませんでした。

田舎の幼稚園の場合は、授業はアラビア語で、アラビア語の歌などの暗記、コーランなどの暗記などが行われている様です。
また、都市部の私立幼稚園では少なくなってきている様ですが、田舎の幼稚園、小学校では普通に体罰が行われていると聞きます。

マラケシュの私立の小学校に通う子供はほとんどの子が2~3歳から幼稚園に通って上記のような教育を受けているので、4歳程度で親から離れて行動することが出来ること、簡単なフランス語の指示が理解でき、簡単な会話ができること、自分の名前程度は書けることが前提の様です。

小学校以降に関してはまだ経験がありませんが、宿題を見るために大学生の家庭教師を雇ったり、仕事をやめたりと言う事も聞くので、かなり厳しいようです。また、学校によっては、宿題の内容をHPで公開したり、バカロレアの合格率を毎年発表しているところもあります。新設校ほど、進学実績に力を入れている様です。

なお、モロッコではフランスと同様、小学校から毎年進級テストがあります。テストに合格しないと「落第」させられます。


◆公立と私立

モロッコは平均年齢が非常に若い国で、全人口の50%が未成年です。少し前までは特に田舎の女子の就学率が非常に悪かったのですが、特に初等教育の就学率を伸ばしているため、公立校の数、教師の数が足りず、多くの公立小学校では二部制になっています。
例えば午前中は、8時から登校する子供と、10時から登校する子供が居て、午後は13時から登校する子供と、15時から登校する子供が居るという具合です。
限られた学校、教師数を使うための苦肉の策と思われますが、それだけ担任する子供の数も増えますし、子供の生活リズムも乱れます。
公立小では、途中でドロップアウトする子供、小学校しか行けない子供も多いので、「アラビア語の読み書き」「足し算引き算掛け算割り算」程度が身に付けば良いという程度の教育レベルと思われます。
フランス語教育は小学三年生から始まります。

私立の学校では、幼稚園からフランス語が始まり、大人になるとほぼ母国語並みに話せるようになります。小学校三年生程度から英語の教育も始まりますので、私立と公立では教育レベルの差は相当大きいのではないかと思います。
そのため、最近では多少無理してでも私立に入れる親が増えている様で、その受け皿としての私立小学校が続々とできて居ます。


◆費用(2010年9月現在:1DH=9~10円程度)三学期制。

公立小:無料。教科書代・給食費については不明。
私立幼稚園・私立小学校:園によりかなり差があります。

A幼稚園:登録料(学年の初めに納める)2600DH 一学期:4800DH・二学期:3600DH・三学期:3600DH

B幼稚園(小学校付属):登録料:1200DH
一学期ごとに:2,000DH程度
給食費(希望者のみ):1900DH程度

C幼稚園(フランス人学校付属):登録料:20,000DH
年間学費:28,000DH

D幼稚園(アメリカンスクール付属):登録料:10,000DH
年間学費:46,000DH

E幼稚園(フランス人の子供が多い):登録料:不明
一学期:2,000DH
特に学費が高いフランス人学校、アメリカンスクールを除くと、私立幼稚園・小学校は一か月あたり1,000DH程度のところが多いようです。

ちなみにモロッコの都市部の平均世帯月収は4000~5000DH。


◆休日・年間日程

9月中旬 新学年スタート
2010/11/6 緑の行進記念日
2010/11/14~2010/11/21 犠牲祭休暇
12/24~12/25 クリスマス休暇
1/1 新年
1/11 独立記念日
1/23~2/1 冬休み
3/17~3/18 預言者生誕祭
4/3~4/12 春休み
5/1 メイデイ
6月中旬 学年終了。夏休み開始

学校によりますが、こんな感じです。
日本の様に「保育に欠ける児童のための保育園」という訳ではないため、長い夏休み中は預かってもらえません。


◆入学スケジュール・願書

幼稚園などでは、アポを入れると見学させてもらえることが多いです。
小学校以降に関しては、学校説明会、学校開放日などが決まっていることが多く、その日程に合わせて動きます。
また、学校によっては6月頃日本でいう文化祭のようなイベントが開かれることがあり、校内を自由に見学するチャンスです。

定員いっぱいになってしまう人気校の場合は、出来るだけ早くスケジュールを確認した方が良いです。学校によっては入学希望年度の何年も前から願書を出すというところもあるそうです。(噂レベルの話なので真偽のほどはわかりませんが。)
9月入学の願書提出期限は、3月末、4月はじめのところが多いようです。

また、フランス人学校は、フランス国籍が無いと入学は難しいと言われています。


◆入学時に必要な書類など

*出生証明書(公的に誕生日が証明できるもの。パスポートのコピー可のところが多い)
*予防接種証明書(モロッコ版母子手帳の予防接種のページコピー。)
*健康証明書(かかりつけの小児科医に書いてもらう。)
*証明写真 2~5枚程度
*親の身分証明書のコピーなど


◆学用品、教科書

教科書は学校からもらったリストを元に、書店で購入します。
新学年が始まってからリストをもらうようで、9月の書店は非常に混雑します。

学用品は書店またはスーパーの文具売り場で売られています。

◆外国人、ハーフの子供の扱い

外国人に有名な私立校には、クラスに一人は外国人の子供が居るようです。
外国人の母親や、ハーフの子供に特に面倒みが良いかどうかというのは学校により異なります。
言葉が全くできないなど、特にケアが必要な場合は小規模校に入れたほうが学校全体で気にかけてもらえると思います。
(特に一クラスに先生が二人ついているところが良いです。)


◆学校HP

検索で出てきたところを貼り付けておきます。
WEBサイトがない有名校も多数あります。
また、モロッコのWEBサイトはデザインが古いところが多いのですが、サイトのイメージと学校のイメージは全く異なることが多いです。

http://www.ambafrance-ma.org/efmaroc/majorelle/

http://elaraki.ac.ma/

http://www.asm.ac.ma

http://www.ecolelamrani.ac.ma/index.htm

http://www.ecolehilali.ma/index.html

http://www.lasaadia.org/


ディアモロッコ/宮本 薫
http://www.dearmorocco.com/

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