マラケシュでピアノ

昨年11月から娘(8)が、今年の1月から私が、9月から息子(5)が、マラケシュでピアノを習い始めました。

 


去年の夏、バリ島に長期滞在した時、近所に日本人のピアノの先生がいらしたので、7歳の娘が初歩の初歩を習い、モロッコに帰って来てから「習いたい」と言いだしました。

さて、マラケシュでピアノ・・・。まずは先生探しから。


<<先生探し>>

娘のお友達のお母さんに「ピアノの先生を探しています」と声を掛けたり、クラシファイド系を検索したり、色々しましたが、ピアノの先生のはずなのに楽器がキーボードだったり、出張専門だったり、中々見つかりません。

結局知り合いの紹介で、11月の始めに個人の先生が見つかりました。
フランス人、音楽院卒のベテラン先生。

ピアノの先生のお宅、というとグランドピアノがあると言うイメージでしたが、先生のお宅には木目のアップライト。
あら。と思いましたが、クラシックを基礎からきちんと教えて頂けると言う事なのでお願いする事にしました。

他には、郊外の音楽スクール、モロッコ人の個人レッスンの先生等がいらっしゃる様です。アンスティテュートフランセーズにもロシア人の評判の良い先生が居て、グランドピアノだと聞きましたが、帰国されてしまったとのこと。また、日本ではピアノの先生はクラシックのピアノを教えるものというイメージがありますが、こちらでは、鍵盤楽器一般をピアノと呼ぶ人も居る様で、クラシックではない場合もある様です。
ラバトにはコンセルバトワール(音楽学校)があるので、ラバトカサブランカでは先生探しもそれほど難しくないかもしれません。


<<マラケシュでピアノを手に入れる>>

さて、ピアノを習うためには、「ピアノ」が必要ですが、これが難関でした。
マラケシュで、楽器屋さんと言えるところは、メディナの中にあるモロッコ民族楽器屋さん(太鼓やウード等)か、ヴァージンメガストア内の電子楽器コーナーくらいしか思い当たりません。・・・・
郊外にYAMAHAがあると聞いて、行ってみたところ、バイクが殆どのショールームの片隅が楽器コーナーになっていました。
気になるお値段を確認してみたところ、121センチの黒アップライトが98000DHなり。
ええええ。
高!
日本円換算で、120万円くらい?日本だったら中古のグランドピアノが買えるのではないかというお値段です。(ちなみに、一般モロッコ人の月給の30ヶ月分位)
モロッコでは贅沢品の関税はものすごく高いので、このお値段になってしまうのでしょうか。
習い始めの子供のために気軽に買える値段ではないので、即却下。
色々探しているうちに時間が経ってしまい、最初の一ヶ月はピアノ無しのレッスンでした。
毎週のレッスンの復習は、紙鍵盤とI Padの音符アプリで。
ト音記号の高さ、長さを覚える練習をし、結局11月末にクラビノーバを買いました。

しばらくはそれで良かったのですが、何でも良いので、とにかく生ピアノに買い替えた方が良いですと言われる様になり、中古のアップライトを探し始めましたが、マラケシュでは手に入りそうもありません。カサブランカまで足を伸ばせば、個人の「売ります買います」、中古楽器専門店、アンティークピアノ店がある様なので、見に行きました。

楽器店の方は、日本の中古ピアノ専門店でした。
薄暗い店内にはかなり使い込まれたYAMAHAの他、マイナーブランドの日本のピアノが一杯。色々触らせてもらいましたが、海外輸出用に機械的に整備、調律されている様で、皆同じ固い音がします。木目のピアノが欲しかったので真っ黒という時点で却下。また、40年、50年くらい経っていそうなモデルなのに、良いお値段でした。(アップライトU1で50万円〜、グランドG3,180万円)

結局アンティークピアノ店で、ドイツのオーガスト・フォルスターという古いピアノを買いました。難曲を弾いたら壊れそうなオールドピアノですが、チッペンデールの足と暖かい音色が好みで一目惚れ。しばらくの間の練習用には十分そうです。今は、夜間や早朝に練習したい時、音色を変えて遊びたい時はクラビノーバ、昼間練習する時はアップライトと使い分けています。

  • 正規のピアノ代理店はYAMAHAしかない様子。モロッコのホテルやレストランに収められているのは殆どYAMAHAの小さめのグランドピアノです。
  • フランス人のお友達の家に、ヨーロッパブランドのピアノがあったのでどうしたのか聞いてみたところ、フランスで購入して陸路で運んだのだそうです。パリやロンドンのピアノ専門店では、近隣諸国向け配送を手配してくれるところや、ピアノ専門国際配送業者等ある様です。
  • インテリアとして(?)、ヨーロッパの有名ブランド(プレイエルやガボー等)の古いピアノを見かけます。モロッコが保護領だった時代に持ち込まれたものかもしれません。
  • スタインウェイ新品は取扱店がある様です・・・が、もちろん高級車が買えるお値段です。
  • 中古ピアノは10万円位から。

<<調律>>

ピアノの台数も少なければ調律師も少ないので、「モロッコ全土出張します」と言う調律師さんが何人かいらっしゃる様です。音の高さを整える調律は出来ますが、部品の入れ替え、オーバーホール等がモロッコで可能かどうかは分かりません。それなりの価値のあるピアノは、ヨーロッパに送って直すのではないかと思います。(関税がかかる事を考えなければ、ヨーロッパとモロッコは、沖縄と東京位の感覚なので)


<<楽譜>>

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マラケシュでは楽譜は手に入りません。
先生の楽譜から一曲コピーさせて頂いたり、
http://imslp.org/ からDLしたり、日本から取り寄せたり。
導入期は、ノートに先生の手書きでした。

もちろん、日本の幼児が使う様な大きな五線譜のノートや教本等もありません。


<<お天気とピアノ>>

マラケシュの夏は過酷です。
気温は45度越え、湿度は3%と言う事も。また、日夜の寒暖の差が激しく、一日の気温差20度を超える日は珍しくありません。

普段乾燥しているので、湿度が高い日は大変。音も重さもがらっと変わります。
メディナのお家では、湿度が高く、大雨が降ると床上浸水も珍しくありません、かといって上階では建物の強度が足りないので生ピアノは難しいかもしれません。


 

<<ピアノの搬入>>

日本だと、マンションへのピアノ搬入は、専門業者がクレーンを使って入れると思いますが、モロッコではピアノも普通に運ばれてきます。家具を運ぶ様なトラックやホンダ(と呼ばれる軽トラ)に乗せられて、毛布等でぐるぐる巻きに巻かれて届き、エレベーターに入らない場合は人力で階段から上げます。

アパルトマン(マンション)のエレベーターは小さい事が多いので、高さ120センチのアップライトなら何とかエレベーターで入れられるかもしれません。(ヨーロッパでは、住宅事情からこの小さなアップライトが人気だとか)


<<モロッコピアノ事情>>

ピアノを習っている子供はかなり少数派。
マラケシュ全体で、外国人の子供も含め100人位?習っている子供の半分以上が、外国人の子供か、ハーフの子供だと思います。(カサブランカやラバトではもっと多いと思います)

日本では、どこを歩いていても、クラシックの有名曲が聞こえてきますが、モロッコでクラシックを耳にする事は殆どありません。地理的な近さ、文化の交流が多かった事を考えると不思議です。


<<娘のレッスン>>

娘の一年目のレッスンはこんな風に進みました。
スタート時は7歳。オクターブ何とか届く程度。

(モロッコのピアノの先生は、フランス人、ロシア人、モロッコ人と色々なので先生によって進め方は異なると思います)

  • 2013年11月:簡単な、四小節〜八小節程度のメロディを左右バラバラ→左右合わせて同じメロディを弾く。
  • 2013年12月:蝶々等。同上。冬休み。
  • 2014年1月:メトードローズ「さあ、はじめましょう!」等。左手の伴奏ドとソのみ。
  • 2014年2月:メトードローズ「月の光」「小さなワルツ」「おばあさまのお話」等 ♯、ポジション移動。
  • 2014年3月:メトードローズ「シラノ・ド・ベルジュラック」「スザンヌ」/春休み
  • 2014年4月「ケーラー おばあさまのワルツ」「ベートーベン ト調のエコセーズ」「16分音符」「アクセント記号」「スタッカート」
  • 2014年5月「ブルグミュラー 水の上を滑りながら」「シュタイベルト ハ長調のソナチネ」等
  • 2014年6月 「ブルグミュラー スイスの思いで」「ラ・トゥール ワルツ」メトードローズ終了後に弾いた曲を全曲暗譜で弾く(復習)
  • 2014年7月〜8月 夏休み中は丸二ヶ月レッスン無し。
  • 2014年9月中旬〜10月 「Gottfried Kirchhoff ガボット」「モーツアルト 大好きなワルツ
  • 2014年11月 JCバッハ「鍵盤楽器のためのソナタ」秋休み。
  • 今年度中に、バッハのインベンションに入りましょう。

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  • メトードローズ後は、教本は使わず、先生の指定の曲を弾き、曲の中に新しく出てくる記号やテクニックを説明(エコセーズで16分音符の説明等)
  • 新曲は、お家では練習せず、レッスン中に初見で「音階を声に出して読む」→「右手のみ弾く」→「右手のみ練習(宿題)」→「左手のみ宿題」→「両手宿題」→「完成」と言う流れを数曲重ねて進めます。
  • 耳コピ厳禁。ピアニストの演奏を参考に聞くと影響を受けて個性が無くなるし、耳コピになるので練習中の曲は聴かない様に。
  • 読譜重視。自分で読んで弾けないレベルの曲は弾かせない。一年目はきれいな手の形&読譜力をつける事、頭脳と手の成長に合わせた曲を弾く事が大事。
  • バカンスはフランス人学校に合わせてたっぷり。夏休みは丸二ヶ月レッスンがありませんでした…。年間のレッスン数、曲数は、日本よりかなり少ないと思います。
  • 五歳の息子も習い始めましたが、日本の様に幼児向け教材等が無い(使わない?)ので、ちょっと5歳児には荷が重いレッスンです。息子も七歳から初めても良かったかもしれません。(9月の中旬からスタートして、現在ド〜ソまでの八小節のメロディを両手で弾く段階。

<<レッスン用フランス語>>

la clé de sol ト音記号 la clé de fa へ音記号 trois-quatre 4分の3拍子 une rond 全音符 une pause 全休符 une blanche 2分音符 une demi-pause 2分休符 une noir 4分音符 une croche 8分音符 une double croche 16分音符 bémol フラット dièse シャープ Doigt 指 Note 音符 Partition 楽譜 Morceau 曲

  • フランス人の先生なのでレッスンはフランス語です。
  • フランス式なので、ドレミ…ですが、レはRe、ソはSol。発音が少し違います。

殆ど弾ける子供が居ない環境では、(たったの一年習っただけですが)娘は「ピアノがとても上手な子」と言う扱いなので、お家に遊びに来たお友達の前で弾いたり、好きな曲の譜面を勝手に読んで弾いてみたり、楽しんでいます。マラケシュの暮らし、東京に比べると刺激になる事が少ない暮らしなので、ピアノに集中する事が出来て、マラケシュ暮らしとピアノの相性って意外と良いのかなあと思ってみたり。私も1月から習い始めて、細々弾いていますが、頑張らないと娘に追い抜かれそう。(既に読譜の早さでは、追い抜かれています…)

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